・水の面に 生ふる五月の 浮き草の 憂きことあれや ねを絶えて来ぬ梓弓 春の山べを 越えくれば 道もさりあへず 花ぞ散りける

2019年05月24日

水の面に 生ふる五月の 浮き草の 憂きことあれや ねを絶えて来ぬ

イメージ 1


水の面に 生ふる五月の 浮き草の 憂きことあれや
ねを絶えて来ぬ 
                 凡河内躬恒

(みずのおもに おうるさつきの うきぐさの うきこと
 あれや ねをたえてこぬ)

意味・・水面に生えている五月の浮草の「うき」では
    ないが、あなたは「憂き」事があるのか。
    根なしの浮草のごとくとんと音信も絶え訪れ
    もないことです。

      詞書は長い間訪ねて来なかった友達のもとに
    詠んで贈った歌、です。

 注・・憂き=いやなこと、不満(作者に対して)なこと。
    ねを絶えて=音信が絶えて、「ね」は根と音の
     掛詞。

作者・・凡河内躬恒=おうしこうちのみつね。生没年未詳。
    894頃活躍した人。古今和歌集の撰者の一人。

出典・・古今和歌集・976。 
 



sakuramitih31 at 07:00│Comments(3)和歌・短歌・俳句 

この記事へのコメント

1. Posted by 夢子   2019年05月24日 08:47
5 掛詞の使い方に
やっぱりいいなぁと思います
こういう時代が (*^-^*)
言葉を大事に使っているということでしょうか
私もダジャレなら得意なんですが
それではこの歳になって恥ずかしいσ(^_^;)
2. Posted by 名歌鑑賞   2019年05月24日 15:48
夢子さん こんにちは。
古今集には多く掛詞が使われていますね。
この歌にも「ね」以外に「絶えて」も掛詞ですね。
根が絶えて(根なし)と絶えて(全く)来ない。

31文字で相手が病気かどうか、困っていないかどうか安否を尋ね、訪問を促している。掛詞の効果ですね。

1000年の昔は郵便制度なんか無かったので、盆とか正月とか墓参りなどの行事を利用して相手方の家に訪問していたのでしょうか。それが訪ねて来なくなった。心配しますね。
コメントありがとうございます。


3. Posted by Horacio   2024年03月05日 02:27
4 https://www.google.com/maps/embed?pb=!1m18!1m12!1m3!1d3504.912620963376!2d-81.3813986!3d28.542346!2m3!1f0!2f0!3f0!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x88e77afe748c8ae5%3A0x810db6b9827f44e5!2sFirst%20Choice%20Law!5e0!3m2!1sen!2sus!4v1709190935396!5m2!1sen!2sus
Wow! This blog looks just like my old one! It's on a entirely different topic but it has pretty much
the same page layout and design. Superb choice of colors!

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
・水の面に 生ふる五月の 浮き草の 憂きことあれや ねを絶えて来ぬ梓弓 春の山べを 越えくれば 道もさりあへず 花ぞ散りける