かくばかり 経がたく見ゆる 世の中に うらやましくも 澄める月かな宇治の川瀬の 水車 何とうき世を めぐるろう

2019年07月22日

もの思へど かからぬ人も あるものを あはれなりける 身の契りかな

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もの思へど かからぬ人も あるものを あはれなりける
身の契りかな             
                   西行

(ものおもえど かからぬひとも あるものを あわれ
 なりける みのちぎりかな)

意味・・同じもの思いをしても、こんなに苦しまぬ人
    もあるのに、ああ、つくづくあわれな我が身
    の宿命よ。

    全く同じ事をしても、憂う人もおり気にかけ
    ない人もいる。失敗したからといっていつま
    でも悩まない、悩まない。

 注・・かからぬ人=斯くあらぬ人。自分のごとくで
     ない人。
    あはれ=寂しさ、悲しさ。
    契り=前世からの約束。

作者・・西行=1118~1190俗名佐藤義清(のりきよ)。
    鳥羽上皇の北面武士であったが23歳で出家。
    「新古今集」では最も入選歌が多い。

出典・・山家集。
 



sakuramitih31 at 07:00│Comments(2)和歌・短歌・俳句 

この記事へのコメント

1. Posted by miss   2019年07月22日 23:46
5 たった一つの契り・・生きてるんですね
愛しいですね

✨✨✨✨✨

こんにちは(^^)/
2. Posted by 名歌鑑賞   2019年07月23日 02:05
こんばんは。
人生を楽天的に考える人と深刻に考える人がいますね。
昔、郵便配達をしていました。
誤配は付き物で、中にはベテランも誤配をします。
その時の対処は、誤配の原因を考えて同じ事を繰り返さない。そして何も無かったように振舞う人。
その一方、深刻に受け止めて何日も何日もしょんぼりする人がいました。
生まれつきの性格か宿命なのか、前世の契りなのか。
終った事に引きずられないようにしたいものですね。

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