2007年07月
2007年07月31日
7月 名歌観賞 一覧 (1)
7/1 由良の門を渡る舟人梶を絶え行くへも知らぬ
恋の道かな 曽爾好忠
7/2 玉の緒よ絶えねば絶えねながらえば忍ぶることの
弱りもぞする 式子内親王
7/3 三井寺の門をたたかばやけふの月 芭蕉
7/4 露と落ち露と消えにしわが身かななにはのことも
夢のまた夢 豊臣秀吉
7/5 寂しさをいかにせよと岡べなる楢の葉しだりに
雪の降るらん 藤原国房
7/6 これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも
逢坂の関 蝉丸
7/7 五月雨や大河を前に家二件 蕪村
7/8 富士のねを木の間木の間にかへり見て松のかげふむ
浮き島が原 香川景樹
7/9 もののふの八十少女らが汲みまがふ寺井の上の
堅香子の花 大伴家持
7/10 帰らじとかねて思へば梓弓なき数に入る
名をとどむる 楠木正行
7/11 灯ちらちら疱瘡小屋の吹雪かな 一茶
7/12 梓弓春立しより年月の射るがごとく
思ほゆるかな 凡河内みつね
7/13 香具山の尾上にたちて見渡せば大和国原
早苗とるなり 上田秋成
7/14 入門は凍てわらじ履き永平寺 倉橋羊村
7/15 相思わぬ人を思ふは大寺の餓鬼を後に
額ずくがごと 笠女郎
恋の道かな 曽爾好忠
7/2 玉の緒よ絶えねば絶えねながらえば忍ぶることの
弱りもぞする 式子内親王
7/3 三井寺の門をたたかばやけふの月 芭蕉
7/4 露と落ち露と消えにしわが身かななにはのことも
夢のまた夢 豊臣秀吉
7/5 寂しさをいかにせよと岡べなる楢の葉しだりに
雪の降るらん 藤原国房
7/6 これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも
逢坂の関 蝉丸
7/7 五月雨や大河を前に家二件 蕪村
7/8 富士のねを木の間木の間にかへり見て松のかげふむ
浮き島が原 香川景樹
7/9 もののふの八十少女らが汲みまがふ寺井の上の
堅香子の花 大伴家持
7/10 帰らじとかねて思へば梓弓なき数に入る
名をとどむる 楠木正行
7/11 灯ちらちら疱瘡小屋の吹雪かな 一茶
7/12 梓弓春立しより年月の射るがごとく
思ほゆるかな 凡河内みつね
7/13 香具山の尾上にたちて見渡せば大和国原
早苗とるなり 上田秋成
7/14 入門は凍てわらじ履き永平寺 倉橋羊村
7/15 相思わぬ人を思ふは大寺の餓鬼を後に
額ずくがごと 笠女郎
7月 名歌観賞 一覧 (2)
7/16 花見んと植えけん人もなき宿の桜は去年の
春ぞ咲かまし 大江嘉言
7/17 かたちこそ深山がくれの朽木なれ心は花に
なさばなりなむ 兼芸法師
7/18 手をついて歌申しあぐる蛙かな 山崎宗鑑
7/19 ときはなる松の緑も春くればいまひとしほの
色まさりけり 源宗干
7/20 田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に
雪は降りける 山部赤人
7/21 もみじ葉の流れてとまる水門には紅深き
波や立つらむ 素性法師
7/22 いねいねと人にいはれつ年の暮 路通
7/23 淡雪のほどろほどろに降り敷けば平城の京し
思ほゆるかな 大伴旅人
7/24 泰平のねむりをさますじょうきせんたった四はいで
夜も寝られず
7/25 駿河なる宇津山べのうつつにも夢にも人に
逢うはぬなりけり 在平業平
7/26 霜やけの手を吹いてやる雪まろげ 羽紅
7/27 さざ浪や志賀の都は荒れにしを昔ながらの
山桜かな 平忠度
7/28 妹もわれも一つなれかも三河なる二見の道ゆ
別れかねつる 高市黒人
7/29 見渡せば柳桜をこきまぜて都ぞ春の
錦なりける 素性法師
7/30 鍋の尻ほし並べたる雪解かな 一茶
7/31 すがる鳴く秋の萩原朝立ちて旅行く人を
いつとか待たむ 読人しらず
春ぞ咲かまし 大江嘉言
7/17 かたちこそ深山がくれの朽木なれ心は花に
なさばなりなむ 兼芸法師
7/18 手をついて歌申しあぐる蛙かな 山崎宗鑑
7/19 ときはなる松の緑も春くればいまひとしほの
色まさりけり 源宗干
7/20 田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に
雪は降りける 山部赤人
7/21 もみじ葉の流れてとまる水門には紅深き
波や立つらむ 素性法師
7/22 いねいねと人にいはれつ年の暮 路通
7/23 淡雪のほどろほどろに降り敷けば平城の京し
思ほゆるかな 大伴旅人
7/24 泰平のねむりをさますじょうきせんたった四はいで
夜も寝られず
7/25 駿河なる宇津山べのうつつにも夢にも人に
逢うはぬなりけり 在平業平
7/26 霜やけの手を吹いてやる雪まろげ 羽紅
7/27 さざ浪や志賀の都は荒れにしを昔ながらの
山桜かな 平忠度
7/28 妹もわれも一つなれかも三河なる二見の道ゆ
別れかねつる 高市黒人
7/29 見渡せば柳桜をこきまぜて都ぞ春の
錦なりける 素性法師
7/30 鍋の尻ほし並べたる雪解かな 一茶
7/31 すがる鳴く秋の萩原朝立ちて旅行く人を
いつとか待たむ 読人しらず
すがる鳴く 秋の萩原 朝たちて 旅ゆく人を いつとか待たむ
すがる鳴く 秋の萩原 朝たちて 旅ゆく人を
いつとか待たむ
詠み人しらず
意味・・野には萩が一面に咲き乱れ、蜂がぶんぶんと飛び交う
秋となった。その美しい萩の花を分けて、うちの人は
朝立ちの旅に出るのだが、無事に帰ってくれるのは
はたしていつのことだろうか。
不便や危険が多かった昔、旅に出る人を送る時の
不安な気持や夫との別れを悲しむ女性の気持を詠ん
だものです。
注・・すがる=腰の細い小型の蜂の古名。じが蜂。
人=特定の人を指していう語。あの人。夫。
いつとか待たむ=いつ帰って来ると私は待つのだろ
うか。「いつまで待っても帰るまい」という気持
も含まれている。
出典・・古今和歌集・399。
いつとか待たむ
詠み人しらず
意味・・野には萩が一面に咲き乱れ、蜂がぶんぶんと飛び交う
秋となった。その美しい萩の花を分けて、うちの人は
朝立ちの旅に出るのだが、無事に帰ってくれるのは
はたしていつのことだろうか。
不便や危険が多かった昔、旅に出る人を送る時の
不安な気持や夫との別れを悲しむ女性の気持を詠ん
だものです。
注・・すがる=腰の細い小型の蜂の古名。じが蜂。
人=特定の人を指していう語。あの人。夫。
いつとか待たむ=いつ帰って来ると私は待つのだろ
うか。「いつまで待っても帰るまい」という気持
も含まれている。
出典・・古今和歌集・399。
2007年07月30日
2007年07月29日
2007年07月28日
2007年07月27日
さざ浪や 志賀の都は 荒れにしを 昔ながらの 山桜かな
さざ浪や 志賀の都は 荒れにしを 昔ながらの
山桜かな
平忠度
(さざなみや しがのみやこは あれにしを むかし
ながらの やまざくらかな)
意味・・志賀の古い都はすっかり荒廃してしまったけれど、
昔のままに美しく咲き匂っている長等山の山桜よ。
古い都を壬申(じんしん)の乱で滅んだ大津京に設定し、
その背後にある長等山の桜を配して、人間社会の
はかなさと悠久(ゆうきゅう)な自然に対する感慨を
華やかさと寂しさを込めて表現しています。
注・・さざ浪=志賀の枕詞。
ながら=接続詞「ながら」と「長等山」の掛詞。
作者・・平忠度=たいらのただのり。1144~1184。正四位下・
薩摩守。
出典・・千載和歌集・66。
山桜かな
平忠度
(さざなみや しがのみやこは あれにしを むかし
ながらの やまざくらかな)
意味・・志賀の古い都はすっかり荒廃してしまったけれど、
昔のままに美しく咲き匂っている長等山の山桜よ。
古い都を壬申(じんしん)の乱で滅んだ大津京に設定し、
その背後にある長等山の桜を配して、人間社会の
はかなさと悠久(ゆうきゅう)な自然に対する感慨を
華やかさと寂しさを込めて表現しています。
注・・さざ浪=志賀の枕詞。
ながら=接続詞「ながら」と「長等山」の掛詞。
作者・・平忠度=たいらのただのり。1144~1184。正四位下・
薩摩守。
出典・・千載和歌集・66。
2007年07月26日
2007年07月25日
駿河なる 宇津の山べの うつつにも 夢にも人に 逢はぬなりけり
駿河なる 宇津の山べの うつつにも 夢にも人に
逢はぬなりけり
在原業平
(するがなる うつのやまべの うつつにも ゆめにも
ひとに あわぬなりけり)
意味・・私は今駿河の国にある宇津の山のほとりに来て
いますが、現実にお会い出来ないのはもちろん、
夢の中でさえもお会いすることが出来ません。
(あなたはもう、私を思ってくださらないのですね)
当時は、相手が思っていてくれる時は、その姿が夢
に出ると信じられていた。「夢にも人に逢はぬ」は、
その人がすでに自分のことを思っていないのではと
嘆いているのです。
注・・駿河なる宇津の山=静岡県宇津谷峠。「宇津」で
「うつ」を導いています。
うつつ=現実。
逢はぬなりけり
在原業平
(するがなる うつのやまべの うつつにも ゆめにも
ひとに あわぬなりけり)
意味・・私は今駿河の国にある宇津の山のほとりに来て
いますが、現実にお会い出来ないのはもちろん、
夢の中でさえもお会いすることが出来ません。
(あなたはもう、私を思ってくださらないのですね)
当時は、相手が思っていてくれる時は、その姿が夢
に出ると信じられていた。「夢にも人に逢はぬ」は、
その人がすでに自分のことを思っていないのではと
嘆いているのです。
注・・駿河なる宇津の山=静岡県宇津谷峠。「宇津」で
「うつ」を導いています。
うつつ=現実。
2007年07月24日
名歌観賞・88
泰平の ねむりをさます じょうきせん たった四はいで
夜も寝られず
(たいへいの ねむりをさます じょうきせん たったしはいで
よるもねられず)
意味・・日頃安らかに眠れていたのに、上喜撰というお茶をたった
四杯飲んだら、興奮して夜になっても寝られなくなった。
平和な世の中であったが、蒸気船がたった四隻来ただけ
で世の中は大騒ぎとなってうかうか夜も寝られなくなった。
1853年ペリーが浦賀沖に四隻の蒸気船に乗ってやって
来た。当時、徳川幕府は鎖国をしていたものの長崎のみで
朝鮮・中国・オランダとの交易をしていた。ペルーは長崎
以外の港も認めるべしと恫喝外交でせまって江戸湾にも
艦隊を進入させ徳川幕府を驚かした。
注・・じようきせん=宇治の銘茶である「上喜撰」、カフェイン
の度が強いので飲むと興奮して夜は寝られない。
それと「蒸気船」を掛けている。
夜も寝られず
(たいへいの ねむりをさます じょうきせん たったしはいで
よるもねられず)
意味・・日頃安らかに眠れていたのに、上喜撰というお茶をたった
四杯飲んだら、興奮して夜になっても寝られなくなった。
平和な世の中であったが、蒸気船がたった四隻来ただけ
で世の中は大騒ぎとなってうかうか夜も寝られなくなった。
1853年ペリーが浦賀沖に四隻の蒸気船に乗ってやって
来た。当時、徳川幕府は鎖国をしていたものの長崎のみで
朝鮮・中国・オランダとの交易をしていた。ペルーは長崎
以外の港も認めるべしと恫喝外交でせまって江戸湾にも
艦隊を進入させ徳川幕府を驚かした。
注・・じようきせん=宇治の銘茶である「上喜撰」、カフェイン
の度が強いので飲むと興奮して夜は寝られない。
それと「蒸気船」を掛けている。
2007年07月23日
2007年07月22日
2007年07月21日
2007年07月20日
名歌観賞・84
田子の浦ゆ うち出でて 見れば真白にそ 富士の高嶺に
雪は降りける
山部赤人(やまべのあかひと)
(万葉集・321)
(たごのうらゆ うちいでて みればましろにそ ふじの
たかねに ゆきはふりける)
意味・・田子の浦を通って眺望のきく所へ出て見ると、
真っ白に富士の高い峰に雪が降り積っている
ことだ。
作者の位置を明らかにしつつ、富士の景観を
嘆美したものです。簡潔でよく形も整い、声調
も張り満ちた歌になっています。
「新古今集・675、百人一首・4」では、
「田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の
高嶺に 雪は降りつつ」(山部赤人)
と収められています。
注・・田子の浦=駿河国(するが・静岡県)の海岸。
白妙(しろたえ)=こうぞの木の繊維で織った布
のように真っ白い状態をいう。富士の枕詞。
雪は降りける
山部赤人(やまべのあかひと)
(万葉集・321)
(たごのうらゆ うちいでて みればましろにそ ふじの
たかねに ゆきはふりける)
意味・・田子の浦を通って眺望のきく所へ出て見ると、
真っ白に富士の高い峰に雪が降り積っている
ことだ。
作者の位置を明らかにしつつ、富士の景観を
嘆美したものです。簡潔でよく形も整い、声調
も張り満ちた歌になっています。
「新古今集・675、百人一首・4」では、
「田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の
高嶺に 雪は降りつつ」(山部赤人)
と収められています。
注・・田子の浦=駿河国(するが・静岡県)の海岸。
白妙(しろたえ)=こうぞの木の繊維で織った布
のように真っ白い状態をいう。富士の枕詞。
2007年07月19日
2007年07月18日
2007年07月17日
2007年07月16日
2007年07月15日
2007年07月14日
2007年07月13日
香具山の 尾上にたちて
香具山の 尾上にたちて みわたせば 大和国原
早苗とるなり
上田秋成
(かぐやまの おのえにたちて みわたせば やまと
くにはら さなえとるなり)
意味・・香具山の山頂に立って見渡すと、大和の
平原では田植え仕度に苗代田から早苗を
取っている。
初夏の風物を大きく伸びやかに描いています。
万葉集の「大和には群れ山あれどとりよろふ
天の香具山、登り立ち国見をすれば国原は煙
立ち立つ」を念頭に置いています。
(大和の国には多くの山々があるけれど、
中でも立派に整っているのは天の香具山だ。
その山に登り国見をしてみると、国の広い
所には炊飯の煙があちらこちらに立って、
民が安泰な生活をしている)
注・・香具山=奈良県桜井市にある山。
尾上(おのえ)=山の上。
作者・・上田秋成。
早苗とるなり
上田秋成
(かぐやまの おのえにたちて みわたせば やまと
くにはら さなえとるなり)
意味・・香具山の山頂に立って見渡すと、大和の
平原では田植え仕度に苗代田から早苗を
取っている。
初夏の風物を大きく伸びやかに描いています。
万葉集の「大和には群れ山あれどとりよろふ
天の香具山、登り立ち国見をすれば国原は煙
立ち立つ」を念頭に置いています。
(大和の国には多くの山々があるけれど、
中でも立派に整っているのは天の香具山だ。
その山に登り国見をしてみると、国の広い
所には炊飯の煙があちらこちらに立って、
民が安泰な生活をしている)
注・・香具山=奈良県桜井市にある山。
尾上(おのえ)=山の上。
作者・・上田秋成。
2007年07月12日
2007年07月11日
2007年07月10日
名歌観賞・74
帰らじと かねて思へば 梓弓 なき数に入る
名をとどむる 楠木正行
(かえらじと かねておもえば あづさゆみ なき
かずにいる なをとどむる)
意味・・とうてい勝ち目のない戦いなので、勝って
帰れないと思うが、自分が生きていた証(
あかし)に、名をここに刻み、必死の覚悟で
出陣をしょう。
650年前、正行(まさつら)がとうてい勝目
のない足利の大軍を四条畷(しじょうなわて・
現大阪府)に迎え打つための出陣で、吉野の
如意輪寺の扉に矢尻で刻んだ、辞世の歌です。
注・・かねて=前もって。
梓弓(あづさゆみ)=入るに掛る枕詞。
なき数に=一つの群れに属するもの、この
歌の場合は死者の仲間。
名をとどむる 楠木正行
(かえらじと かねておもえば あづさゆみ なき
かずにいる なをとどむる)
意味・・とうてい勝ち目のない戦いなので、勝って
帰れないと思うが、自分が生きていた証(
あかし)に、名をここに刻み、必死の覚悟で
出陣をしょう。
650年前、正行(まさつら)がとうてい勝目
のない足利の大軍を四条畷(しじょうなわて・
現大阪府)に迎え打つための出陣で、吉野の
如意輪寺の扉に矢尻で刻んだ、辞世の歌です。
注・・かねて=前もって。
梓弓(あづさゆみ)=入るに掛る枕詞。
なき数に=一つの群れに属するもの、この
歌の場合は死者の仲間。
2007年07月09日
もののふの 八十少女らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子の花
もののふの 八十少女らが 汲みまがふ 寺井の上の
堅香子の花
大伴家持
(もののふの やそおとめらが くみまがう てらいの
うえの かたかごのはな)
意味・・大勢の少女たちが入り乱れて水を汲んでいる
寺の井のほとりに咲くかたくりの花のかれん
なことだ。
「八十少女」と「かれんな花」の個性的な美が
互いに結びあって総合的な美の世界をかもし出
しています。
注・・もののふ=物の部(文武の官)が多くある
ことから、「八十」にかかる枕詞。
八十(やそ)=数の多いこと。
汲みまがふ=入り乱れて汲む。
寺井の上の=寺にある井のほとり。「井」は
湧き水をたたえて汲めるようにした所。
堅香子(かたかご)=ユリ科の多年草。今の
かたくりのこと。
堅香子の花
大伴家持
(もののふの やそおとめらが くみまがう てらいの
うえの かたかごのはな)
意味・・大勢の少女たちが入り乱れて水を汲んでいる
寺の井のほとりに咲くかたくりの花のかれん
なことだ。
「八十少女」と「かれんな花」の個性的な美が
互いに結びあって総合的な美の世界をかもし出
しています。
注・・もののふ=物の部(文武の官)が多くある
ことから、「八十」にかかる枕詞。
八十(やそ)=数の多いこと。
汲みまがふ=入り乱れて汲む。
寺井の上の=寺にある井のほとり。「井」は
湧き水をたたえて汲めるようにした所。
堅香子(かたかご)=ユリ科の多年草。今の
かたくりのこと。
2007年07月08日
2007年07月07日
2007年07月06日
2007年07月05日
2007年07月04日
名歌観賞・68
露と落ち 露と消えにし わが身かな なにはのことも
夢のまた夢
豊臣秀吉(とよとみひでよし)
(詠草)
(つゆとおち つゆときえにし わがみかな なにわの
ことも ゆめのまたゆめ)
意味・・露のようにこの世に身を置き、露のように
この世から消えてしまうわが身であった。
何事も、あの難波のことも、すべて夢の中
の夢である。
死の近いのを感じた折に詠んだもので結果的
には辞世の歌となっています。
注・・なにはのこと=難波における秀吉の事業、また
その栄華の意と「何は(さまざま)のこと」を
掛けています。
作者・・豊臣秀吉=1536~1598。木下藤吉朗と称し織田
信長に仕える。信長の死後明智光秀討ち天下
を統一する。難波に大阪城を築く。
夢のまた夢
豊臣秀吉(とよとみひでよし)
(詠草)
(つゆとおち つゆときえにし わがみかな なにわの
ことも ゆめのまたゆめ)
意味・・露のようにこの世に身を置き、露のように
この世から消えてしまうわが身であった。
何事も、あの難波のことも、すべて夢の中
の夢である。
死の近いのを感じた折に詠んだもので結果的
には辞世の歌となっています。
注・・なにはのこと=難波における秀吉の事業、また
その栄華の意と「何は(さまざま)のこと」を
掛けています。
作者・・豊臣秀吉=1536~1598。木下藤吉朗と称し織田
信長に仕える。信長の死後明智光秀討ち天下
を統一する。難波に大阪城を築く。