2019年01月

2019年01月31日

・大空の 月の光し 清ければ 影見し水ぞ  まづこほりける

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             金沢兼六園・凍った池

大空の 月の光し 清ければ 影見し水ぞ 
まづこほりける
            
              詠み人知らず

(おおぞらの つきのひかりし きよければ かげみし
 みずぞ まずこおりける)

意味・・昨夜は空にある月がひとしお冴え返っていたが、
    その影を一晩中映していた庭の池の水が真っ先に
    凍ったことだ。

    冷たく澄んだ月影を吸い込んだので池の水が凍っ
    てしまった、それほど、月は冴えて清く感じた、
    という事を詠んで寒さの厳しさを歌っています。

 注・・光し=「し」は前の語を強調する助詞。
    清ければ=月が冴えて寒々した感じをこのように
     表現している。
    影=月の光。

出典・・古今和歌集・316。 



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2019年01月30日

・降る雪は かつぞ消ぬらし あしひきの 山のたぎつ瀬 音まさるなり

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                                                  祖谷のかつら橋  

降る雪は かつぞ消ぬらし あしひきの 山のたぎつ瀬
音まさるなり             
                                                    詠み人知らず

(ふるゆきは かつぞけぬらし あしひきの やまの
 たぎつせ おとまさるなり)

意味・・雪は降っているが、それは片っ端から解けて
    いるに違いない。解けた水が流れ込み、山の
    急流の音がよけいに大きく聞えてくる。

 注・・あしひきの=山の枕詞。
    たぎつ瀬=滝つ瀬。激つ瀬。激流。

出典・・古今和歌集・319。



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2019年01月29日

・雲居まで 生ひのぼらなむ 種まきし 人も尋ねぬ  峰の若松

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雲居まで 生ひのぼらなむ 種まきし 人も尋ねぬ 
峰の若松
 
            狭衣物語・嵯峨院皇后宮

(くもいまで おいのぼらなん たねまきし ひとも
 たずねぬ みねのわかまつ)

詞書・・生まれ給うへるみこを見給ひて。

意味・・大空まで成長して届いてほしい。(帝位にま
    で昇ってほしい)。種を蒔いた人(実の父親・
    狭衣)も尋ねてくれない峰の松ではあるが。

    私生児として不幸に生れた児を見て詠んだ
    歌です。

 注・・みこ=皇子。
    雲居=宮中、空。
    狭衣(さごろも)物語=堀川関白の一人息子・
     狭衣と五人の女君たちが織りなす恋愛物語。
     平安時代の作。

作者・・嵯峨院皇后宮=狭衣物語の登場人物。

出典・・物語二百番歌合(樋口芳麻呂著「王朝物語秀歌
    選」)



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2019年01月28日

・家むらを 千尋の谷の 底に見て 杉の梢を ゆく山路かな

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家むらを 千尋の谷の 底に見て 杉の梢を
ゆく山路かな     
                伴林光平

(いえむらを ちひろのたにの そこにみて すぎの
 こずえを ゆくやまじかな)

意味・・人家の群がっているのを、深い谷底に見ながら
    杉の梢の山路を通っている。

    奈良県吉野郡大塔村の険しい山道で、深い谷底
    が眼下に見える尾根の道。この道を倒幕の天誅
    組の一人として行軍の時に詠んだ歌です。

    山道の険しさは、行く末の厳しさの象徴でもあ
    り、理想に生きようとする者の硬い決意の表れ
    でもあります。

 注・・家むら=人家の群がっている所。
    千尋の谷=深く長い谷。
    天誅組=尊王攘夷派の武装集団。1863年挙兵
     して大和国の五条代官所を襲撃したが、朝廷
     より逆賊と令旨が下れ、暴徒と見なされ、幕
     府から追われて壊滅した。

作者・・伴林光平=ばんばやしみつひら。1813~1864。
     倒幕の天誅組に加わわるが捕らえられ獄死する。



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2019年01月27日

波とのみ 一つに聞けど 色みれば 雪と花とに  まがひけるかな

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波とのみ 一つに聞けど 色みれば 雪と花とに 
まがひけるかな 
                 紀貫之

(なみとのみ ひとつにきけど いろみれば ゆきと
はなとに まがいけるかな)

意味・・音を聞くと、ただ波の音ぱかり一色に聞こえ
    るが、その色を見ると、雪と花との二つに見
    誤ることだ。

    海が荒れ模様の時に波が白く砕けているのを
    雪に、波のしぶきが立っているのを花に見立
    てて詠んでいます。

 注・・波とのみ=耳で聞くと波の音のみ聞こえる。
    ひとつに聞けど=一様に波の音しか聞こえな
     い。
    色みれば=波の色を見れば。
    まがう=見間違う。

作者・・紀貫之=きのつらゆき。868~945。土佐守。
    古今和歌集の撰者。

出典・・土佐日記。 



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2019年01月26日

・いかにせん 我が世ふけひの うらみても 子を思ふ鶴の おろかなる身を

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いかにせん 我が世ふけひの うらみても 子を思ふ鶴の
おろかなる身を
                    飛鳥井雅世
             
(いかにせん わがよふけいの うらみても こをおもう
 つるの おろかなるみを)

意味・・どうしたものだろうか。わが齢(よわい)が老けて
    ゆく恨みを悲しみ嘆きつつも、吹飯(ふけい)の浦
    で鳴いている、子を思うおろかな鶴の身を。

    鶴は捕まって籠の中にいるのだが、その鶴が子供
    の事を思って鳴いているのと同様、私も身体は弱
    り果てて悲しい身ではありながら、子供の事を心
    配する、この愚かな我が身だ。

    雅世の子が詠んだ歌が歌集に入首したのは、親の
    威光なので、優遇したものの、子の前途を心配し
    て詠んだ歌です。

 注・・ふけひ=地名の「吹飯」と「老け」の掛詞。
     「吹飯」は大阪府南西部、和泉国の歌枕。
    うらみ=「浦」と「恨み」の掛詞。
    子を思ふ鶴=白居易の詩の「夜、鶴は子を憶ひて
     籠の中に鳴く」より、親が子を思う気持をいう。
     (詩は下記参照)

作者・・飛鳥井雅世=あすかいのまさよ。1390~1452。
    正二位中納言。室町期の歌人。「新続古今集」の
    撰者。

出典・・新続古今和歌集(小学館「中世和歌集」)
    
参考の詩です。

五絃弾(抄)   白居易

 聴く者耳を傾けて心寥寥(りょうりょう)たり
 趙璧(ちょうへき)は君が骨に入りて愛するを知り
 五絃 一一(いちいち) 君が為に調(ととの)ふ
 第一第二の絃は索索(さくさく)たり
 秋の風松を払つて疏韻(そいん)落つ
 第三第四の絃は冷冷(れいれい)たり
 夜の鶴子を憶(おも)うて籠(こ)の中(うち)に鳴く
 第五の絃の声は最も掩抑(えんよく)せり
 隴水(ろうすい)凍(こお)り咽(むせ)んで流るること得ず

【通釈】五絃琵琶の弾奏よ、
それに聴衆が耳を傾ければ心は荒涼とする。
趙璧は諸君が骨身に沁みて彼の演奏を愛することを知り、
五絃の一つ一つに調子を整える。
第一・第二の絃は不安な調べである。
秋の風が松を払ってまばらな響きを立てるかのよう。
第三・第四の絃は凄まじい調べである。
夜の鶴が子を慕って籠の中で鳴くかのよう。
第五の絃の声は最も鬱々としている。
隴山の谷川が凍って咽び、滞るかのよう。



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2019年01月25日

・思ふ人 ありとなけれど 故郷は しかすがにこそ 恋しかりけれ

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思ふ人 ありとなけれど 故郷は しかすがにこそ
恋しかりけれ      
                能因法師

(おもうひと ありとなけれど ふるさとは しかすがに
 こそ こいしかりけれ)

詞書・・しかすがの渡し場で詠みました歌。

意味・・思う人がいるというわけでもないけれど、
    故郷はなんといってもやはり恋しく思われ
    ることだ。

    参考です。
    「故郷」

    兎追いしかの山
    子鮒釣りしかの川
    夢は今もめぐりて
    忘れがたき故郷

 注・・しかすがに=然すがに。しかしながらやはり。
    しかすがの渡し場=愛知県宝飯郡豊川の渡場。

作者・・能因法師=のういんほうし。988~ 。中古
    三十六歌仙の一人。

出典・・後拾遺和歌集・517。



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2019年01月24日

・心あてに 折らばや 折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花

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心あてに 折らばや 折らむ 初霜の 置きまどはせる
白菊の花
                  凡河内躬恒 
            
(こころあてに おらばやおらん はつしもの おき
 まどわせる しらぎくのはな)

意味・・もし折るのなら、あて推量で折ることにしょうか。
    初霜が置いて、その白さの為に区別もつかず、紛ら
    わしくしている白菊の花を。

    冬の訪れを告げ、身を引き締めるようにさせる初霜
    の厳しさと、白菊の花のすがすがしい清楚な気品が
    詠まれています。

 注・・心あてに=あて推量で。
    置きまどはせる=置いて、分からなくしている。

作者・・凡河内躬恒=おおしこうちのみつね。生没年未詳。
    895年頃活躍した人。三十六歌仙の一人。古今集
    の撰者の一人。
 
出典・・古今集・277、百人一首・29。



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2019年01月23日

・世の中を 何にたとへむ 朝ぼらけ 漕ぎ行く舟の 跡の白波

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                瀞八丁・和歌山

世の中を 何にたとへむ 朝ぼらけ 漕ぎ行く舟の
跡の白波
                 沙弥満誓
           
(よのなかを なににたとえむ あさぼらけ こぎゆく
 ふねの あとのしらなみ)

意味・・この世の中を何にたとえようか。夜明け方に
    漕ぎ出して行く舟の跡に立つ白波のように、
    立ってはすぐに消え行くはかないものだ。

    人の噂も75日ということもある。
    良きにしろ、悪しきにしろ、嬉しいこと苦しい
    ことも思い出になり、そしていつかは消えてな
    くなる。

 注・・世の中を何にたとへん=無常な世を比喩で示そ
     うとしたもの。
    朝ぼらけ=夜明け方の物がほのかに見える時分。
     春の「曙」に対して秋・冬の季節に用いる。

作者・・沙弥満誓=さみのまんぜい。生没年未詳。美濃
    守・従四位下。721年に出家。大伴旅人・山上
    憶良らと親交。
 
出典・・拾遺和歌集・1327。



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2019年01月22日

・老いぬとて などかわが身を せめきけむ 老いずは今日に あはましものか

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老いぬとて などかわが身を せめきけむ 老いずは今日に
あはましものか       
                    藤原敏行

(おいぬとて などかわがみを せめきけむ おいずは
 けふに あわましものか)

意味・・私は年老いて役に立たなくなったといって、
    どうしてわが身を責め恨んだのだろうか。
    もし年をとり生きながらえることが無かっ
    たら、今日の喜びに逢えたでしょうか、逢
    えなかったのです。

    年を取って生きながらえることがなかった
            ら、栄えある今日を迎えただろうかという
    感慨を詠んでいます。

 注・・せめき=責めき、とがめる。恨む。

作者・・藤原敏行=ふじわらのとしゆき。901年没。
    従四位上・蔵人頭。

出典・・古今和歌集・903。



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2019年01月21日

・システムに ローンに飼われ この上は 明ルク生クル ほか何がある

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システムに ローンに飼われ この上は 明ルク生クル
ほか何がある
                   島田修三

(システムに ローンにかわれ このうえは あかるく
 いくるほかなにがある)

意味・・毎日真面目に出勤せねばならない。そして社会
    のさまざまな規範やしがらみに縛られて生きて
    いる。こういうシステムの上に家のローンもあ
    る。家庭では良き夫、良きお父さんであること
    も要求される。飼い犬や飼い猫よりも不自由な
    毎日であるが、明るく生きる他ないと心を奮い
    立たせているのである。

    腑に落ちないことや腹の立つことが多い中、明
    るく明るく生きたいと。

 注・・システム=組織、世の体系。
 
作者・・島田修三=しまだしゅうぞう。1950~ 。横浜
    市立大学卒。愛知淑徳大学学長。

出典・・歌集「晴朗悲歌集」(栗本京子著「短歌を楽しむ」)



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2019年01月20日

・雪降れば 木ごとに花ぞ 咲きにける いづれを梅と わきて折らまし

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雪降れば 木ごとに花ぞ 咲きにける いづれを梅と
わきて折らまし          
                  紀友則

(ゆきふれば きごとにはなぞ さきにける いずれを
 うめと わきておらまし)

意味・・雪が降ったので、木毎に花が真っ白に咲いた。
    「木毎」といえば梅のことになるが、さて庭
    に下りて花を折るとすれば、この積雪の中か
    ら、どれを梅だと区別して折ればいいだろう
    か。

作者・・紀友則=きのとものり。生没年未詳。紀貫之
    とは従兄弟(いとこ)にあたる。900年頃の人。
    古今和歌集の撰者の一人。

出典・・古今和歌集・337。



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2019年01月19日

・大き波 たふれんとして かたむける 躊躇の間も ひた寄りによる

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                 葛飾北斎画

大き波 たふれんとして かたむける 躊躇の間も
ひた寄りによる       
                  木下利玄

(おおきなみ たおれんとして かたむける ためらい
 のまも ひたよりによる)

意味・・大きな波が、まさに倒れようとして傾いている。
    そのためらいにも似たわずかの時の間にも、波
    はひたすらに寄せて来る。

    大波はそのまま停まっているわけではなく、波
    が倒れようとする一瞬、引力よりももっと強い
    沖から寄せる波の力に押されて寄せて来ている
    状態を詠んでいます。

    これは葛飾北斎の冨獄三十六景の波の画と同じ
    ですが、北斎の画には高波に小舟が呑まれそう
    な一瞬、舟客が無事を祈る姿が描かれています。
    舟出する時の海は波静かであったと思われます。
    海が時化(しけ)るとは思いも及ばなかったこと
    でしょう。
    
    現実でも、順風満帆であってもいつ時化が来る
    か分らない。
    利玄の大波はいつ襲ってくるか分からない災難
    を暗示しています。

 注・・躊躇(ためらい)=迷って心が決まらないこと。

作者・・木下利玄=きのしたりげん。1886~1925。
    東大国文学科卒。志賀直哉・武者小路実篤らと
    「白樺」を創刊。

出典・・笠間書院「和歌の解釈と鑑賞辞典」。



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2019年01月18日

・瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ

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瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に
あはむとぞ思ふ
                 崇徳院

(せをはやみ いわにせかるる たきがわの われても
 すえに あわんとぞおもう)

意味・・川の瀬の流れが速いので、岩に堰き止められる
    流れが両側に分かれてしまうが、それでもやが
    ては合流する。私たちの恋もそれと同じように
    やむない事情で別れても、いつかは必ずともに
    暮らせるようになりたいものだ。

 注・・瀬=川の浅いところ。
    岩にせかるる=岩に堰き止められる。
    滝川=急流、激流。

作者・・崇徳院=すとくいん。1119~1164。鳥羽天皇
    の第一皇子。保元の乱に敗れ、讃岐(香川県)に

    配流された。

出典・・詞花和歌集・229、百人一首・77。



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2019年01月17日

・鞆の浦の 磯のむろの木 見むごとに 相見し妹は 忘らえめやも

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         鞆の浦の港・下部の島は鞆断層崖で現在も名勝地


鞆の浦の 磯のむろの木 見むごとに 相見し妹は
忘らえめやも      
                  大伴旅人

(とものうらの いそのむろのき みんごとに あいみし
 いもは わすらえめやも)

意味・・鞆の浦の海辺の岩の上に生えているむろの木、
    この木をこれから先も見ることがあれば、その
    たび毎に、行く時共に見た妻のことが思い出さ
    れて、どうしても忘れられない事だろう。

    かっては妻と心楽しく接した景物に触発されて
    詠んだ歌であり、風物は昔のままであるが、妻
    は去ってもうこの世にいないという哀感を詠ん
    でいます。

 注・・鞆の浦=広島県福山市鞆町の海岸。古来より
     名な海岸であった。
    むろの木=松杉科の常緑樹高木。
     見むごとに=将来にかけての言い方をするこ
     で、忘れられない哀感の深さを表す。

作者・・大伴旅人=おおとものたびと。665~731。従
    二位。大宰師(だざいのそち)として下向の時妻
    を失う。

出典・・万葉集・447。



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2019年01月16日

・看とり疲れの 妻の寝姿 手鏡に見るとき みずからの 罪みるごとし

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看とり疲れの 妻の寝姿 手鏡に見るとき みずからの
罪みるごとし
                    引野収

(みとりつかれの つまのねすがた てかがみにみるとき
 みずからの つみみるごとし)

意味・・寝たきりの重度の身体障害者である私を、妻は
    看病し続けている。その疲れで今、妻はうたた
    寝をしている。その姿を手鏡で見ると、悪い事
    をしたように辛く感じる。私がいなければ妻は
    楽が出来るだろうに。

    この作者は肺結核を患い寝たきりの生活を三十
    余年間続けている。体を起こしたり、首をもた
    げたり出来ないから、手鏡を使っているのです。
 
    参考は、藤尾英昭著の「小さな人生論」からです。

    忘れられない詩がある。
    15歳の脳性マヒの少年が、
    その短い生涯の中でたった一篇、
    命を絞るようにして書き残した詩である。

    ごめんなさいね おかあさん
    ごめんなさいね おかあさん
    ぼくが生まれて ごめんなさい
    ぼくを背負う かあさんの
    細いうなじに ぼくはいう
    ぼくさえ 生まれなかったら
    かあさんの しらがもなかったろうね
    大きくなった このぼくを
    背負って歩く 悲しさも
    「かたわな子だね」とふりかえる
    つめたい視線に 泣くことも
    ぼくさえ 生まれなかったら

    ありがとう おかあさん
    ありがとう おかあさん
    おかあさんが いるかぎり
    ぼくは生きていくのです
    脳性マヒを 生きていく
    やさしさこそが 大切で
    悲しさこそが 美しい
    そんな 人の生き方を
    教えてくれた おかあさん
    おかあさん
    あなたがそこに いるかぎり

    作者は山田康文くん。
    生まれた時から全身が不自由、口も利けない。
    通称やっちゃん。
    そのやっちゃんを養護学校の先生であった
    向野さんが抱きしめ、
    彼の言葉を全身で聞く。
    向野さんがいう言葉がやっちゃんのいいたい言葉
    だったら、やっちゃんがウインクでイエスのサイン。
    ノーの時は舌を出す。
    気の遠くなるような作業を経て、
    この詩は生まれた。
    そしてその2か月後、少年は亡くなった。

    自分を生み育ててくれた母親に報いたい。
    その思いがこの少年の人生のテーマだったといえる。
    短い生涯ながら少年は見事にそのテーマを生ききり、
    それを一篇の詩に結晶させて、逝った。

    生前、ひと言も発し得なかった少年が、
    生涯を懸けてうたいあげた命の絶唱。
    この詩が私たちに突きつけてくるものは重い。
    永遠の人生のテーマがここにある。

作者・・引野収=ひきのおさむ。1918~1988。高野山大学卒。
    1945年結婚。1948年肺結核を患い寝たきりの生活を
    送る。

出典・・佐々木幸綱著「短歌に親しむ」。



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2019年01月15日

・波の上ゆ 見ゆる小島の 雲隠り あな息づかし  相別れなば

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波の上ゆ 見ゆる小島の 雲隠り あな息づかし 
相別れなば
                笠金村
            
(なみのうえゆ みゆるこじまの くもがくり あな
 いきづかし あいわかれなば)

詞書・・733年に遣唐使が発つ時に贈った歌。

意味・・波の上から見える小島が雲に隠れるように、
    船がはるかに見えなくなって、ああ、溜息が
    出ることでしょう。お別れしてしまったなら。

 注・・波の上ゆ=「ゆ」は動作の時間的・空間的起点
     を表す。
    息づかし=息衝(づ)く、溜息が出るようにせつ
     ない。

作者・・笠金村=かさのかなむら。伝未詳。朝廷歌人。

出典・・万葉集・1454。



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2019年01月14日

・今日降りし 雪に競ひて 我がやどの 冬木の梅は 花咲きにけり

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今日降りし 雪に競ひて 我がやどの 冬木の梅は
花咲きにけり
                  大伴家持
              
(きょうふりし ゆきにきそいて わがやどの ふゆぎの
 うめは はなさきにけり)

意味・・今日降った雪に負けじとばかり、我が家の冬木の
    梅の枝には、真っ白な花が見事に咲いている。

    枝の雪を、梅の花そのものと見て詠んだ歌。

 注・・冬木の梅=まだ花の咲くはずのない梅の木。

作者・・大伴家持=おおとものやかもち。718~785。
    大伴旅人の子。
 
出典・・万葉集・1649。



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2019年01月13日

・世の中は とてもかくても 同じこと 宮も藁屋も  果てしなければ

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世の中は とてもかくても 同じこと 宮も藁屋も 
果てしなければ         
                  蝉丸
           
(よのなかは とてもかくても おなじこと みやも
 わらやも はてしなければ)

意味・・この世の中ではどういう生活をしていても、
    結局は同じことだ。立派な宮殿に住んでも
    粗末な藁屋に住んでも、上は上、下は下で
    人の欲望には際限がないのだから。

    蝉丸が粗末な藁屋に住んでいたのを嘲笑(ち
    ようしょう)されて詠んだ歌です。
        
 注・・とてもかくても=とありてもかくありても。
     どうあろうとこうあろうと。結局どのよ
     うに暮らしても。
    宮も藁屋も=立派な宮殿もみすぼらしい藁
     葺きの家も。
    果てしなければ=果てがない、限りがない。
     人間の欲望には際限がないから。

作者・・蝉丸=せみまる。平安時代(9世紀)の人。目
    が不自由で琵琶の名手。
 
出典・・新古今和歌集・1851。
  


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2019年01月12日

・やぶ入りの夢や小豆の煮えるうち

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           一炊出来る間に一睡して栄華の夢を見ている画

やぶ入りの夢や小豆の煮えるうち    
                     蕪村

(やぶいりの ゆめやあずきの にえるうち)

意味・・やぶ入りで久しぶりに我が家に帰った子供が、
    小豆の煮えるわずかの間にも横になって眠っ
    てしまった。さぞかし楽しい夢でも見ている
    ことだろう。
    束の間の安らぎと再び奉公先に戻ってのつら
    い思いが交差する。

     中国の説話、「邯鄲(かんたん)の夢」を念頭
    に置いた句です。
     (蘆生という青年が立身を志して都に上る途中、
     邯鄲の茶店で仮睡すると、夢で富貴栄達をき
     わめたが、目が覚めると,黄梁(こうりょう)が
     煮えていないわずかな間であった。それで人生
     の栄枯のはかなさを悟り、郷里に戻ったという
     話 )       

 注・・やぶ入り=住み込みで奉公している者が、一
     時の暇を与えられて実家に帰ること。正月
     の十五、十六日に行われた。
    夢や小豆の煮えるうち=「盧生邯鄲(ろせい
     かんたん)の夢」の故事による。昔中国の
     盧生が出世しようと都へ上る途中、茶店で
     食事をたのみ、その粟が煮える間に一眠り
     したが、その夢に、自分の栄華をことごと
     く見た。目覚めて始めて、横粱一炊の夢で
     あったことを知り栄華のはかなさを悟った
     という。
    横粱一炊(こうりょういっすい)の夢=人間の
     一生が短く、栄枯盛衰のはかない事の譬え。
     横粱は粟の一種。

作者・・蕪村=1716~1783。
 
出典・・あうふう社「蕪村全句集」。



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2019年01月11日

・冬ながら 空より花の 散りくるは 雲のあなたは 春にやあるらむ

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冬ながら 空より花の 散りくるは 雲のあなたは
春にやあるらむ
                 清原深養父
            
(ふゆながら そらよりはなの ちりくるは くもの
 あなたは はるにやあるらん)

意味・・冬なのに空から花が降っているよ。そうすると、
    雲の向こうはもう春なのではなかろうか。

    雪が降り、待ち遠しい春であるが、気持ちだけ
    でも春の気配を味わった歌です。

 注・・冬ながら=冬でありながら。
    花=雪を花と見たもの。。

作者・・清原深養父=きよはらのふかやぶ。910年頃活躍
    した人。清少納言の曾祖父。

出典・・古今和歌集・330。



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2019年01月10日

・木の葉なき 空しき枝に 年暮れて また芽ぐむべき 春ぞ近づく

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木の葉なき 空しき枝に 年暮れて また芽ぐむべき
春ぞ近づく     
                 京極為兼

(きのはなき むなしきえだに としくれて また
 めぐむべき はるぞちかづく)

意味・・木の葉が落ち尽くした何も無い枝に、年も
    変わって、また新しい芽が生まれて来る春
    が近づいて来ている。

    一見枯れたかのような冬の木だが、再び春
    が巡ってくればまた新しい生命が萌える。
    その芽吹きの春も近づいて来ていると、春
    が早く来る事を期待して詠んでいます。

 注・・空しき=中に何にも無い。

作者・・京極為兼=きょうごくのためかね。1254
    ~1332。正二位権大納言。

出典・・玉葉和歌集・1022



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2019年01月09日

・山里は 雪降り積りて 道もなし 今日来む人を あはれとは見む

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                 広重・画

山里は 雪降り積りて 道もなし 今日来む人を
あはれとは見む        
                平兼盛

(やまざとは ゆきふりつもりて みちもなし きょう
 こんひとを あわれとはみん)

意味・・山里は雪が降り積もって道も絶えてしまった。
    もし今日、私の所に訪ねてくれる人があったら、
    その人の事をいとおしいと思うだろう。

    雪が激しく降ったので道も全くない。こんな時
    にでも、相談なりにやって来る人は我が心に通
    う人だ、という気持です。    

 注・・あはれ=いとしいさま、愛着を感じるさま、気
     の毒だ、悲しいさま。喜楽・悲哀などの感動
     を表す語。

作者・・平兼盛=たいらのかねもり。生年未詳~990。
    従五位下・駿河守。三十六歌仙の一人。

出典・・ 拾遺和歌集・251。



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2019年01月08日

・笹の葉に 降りつむ雪の うれを重み 本くたちゆく わがさかりはも

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笹の葉に 降りつむ雪の うれを重み 本くたちゆく
わがさかりはも
                  詠み人知らず

(ささのはに ふりつむゆきの うれをおもみ もと
 くたちゆく わがさかりはも)

意味・・葉に降り積もった雪のために、笹は先端が重く
    なり、根元の方が傾いてゆく。このように、私
    の盛りも下り坂になったとは悔しいことだ。

    雪が解ければ、笹の葉はまた元通りになるよう
    に、私もいつかきっと勢力を盛り返したいもの
    だ。

 注・・うれ=末。木の枝や草葉の先端。
    くたち=降ち。盛りを過ぎること。衰える、傾
     く。
    はも=上接する語を強く引き立てる語。

出典・・古今和歌集・891。



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2019年01月07日

・斧の柄の 朽ちし昔は 遠けれど ありにしもあらぬ 世を経るかな

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斧の柄の 朽ちし昔は 遠けれど ありにしもあらぬ
世を経るかな
                式子内親王

(おののえの くちしむかしは とおけれど ありにしも
 あらぬ よをふるかな)

詞書・・後白河院がお亡くなりになって後、百首の歌に。

意味・・木樵が山で仙人の碁を見ているうちに斧の柄が朽ち、
    家に帰ってみると、故郷の様子がすっかり変わって
    いたというのは遠い昔話だが、父法王が亡くなれた
    後の私は、その木樵と同様、以前とすっかり変わっ
    てしまった世の中に永らえています。

    変動の激しい世に生きた作者の実感です。

 注・・後白河院=式子内親王の父帝。1192年没。     
    斧の柄の朽ちし=中国の晋(しん)の王質(おうしつ)
     が、山で仙人の碁を見ているうちに時間がたち、
     斧の柄も朽ち果て、家に帰ったら、故郷の様子も
     一変していた、という故事。
    ありしもあらぬ世=昔のようではない世。前とすっ
     かり変わってしまった世。

作者・・式子内親王=しよくしないしんのう。1201年没。後
    白河上皇の第二皇女。齋院。

出典・・新古今和歌集・1670。



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2019年01月06日

・同じくは 共に見し世の 人もがな 恋しさをだに 語りあはせむ

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               昔を語らふ人もがな

同じくは 共に見し世の 人もがな 恋しさをだに
語りあはせむ
                 宗良親王

(おなじくは ともにみしよの ひともがな こいしさを
 だに かたりあわせん)

詞書・・延元の頃(1338年)、吉野を離れて東国に下りまし
    た後、多くの年(36年)を経て文中3年(1374年)に
    吉野の行宮(あんぐう)に参りましたが、かって会
    った人もなく、万事昔の事が思い出されることば
    かり多くありましたので、「独り懐旧」の題で詠
    みました歌。

意味・・どうせ昔と変わってしまったことを嘆くのなら、
    一緒に昔のことを見た人がいて欲しいものだなあ。
    もしいたならその人と共に今は変わってしまった
    昔への恋しさを話会うだけでもしたいものだ。

 注・・同じくは=同じことなら。いっそのこと。
    もがな=他への希望を表す。・・があったらなあ。

作者・・宗良親王=むねよししんのう。1311~1385頃。

    後醍醐天皇皇子。元弘の乱の時讃岐に配流された。
    「新葉和歌集」を撰ぶ。

出典・・新葉和歌集・1306。



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2019年01月05日

・わかき日の やむごとなさは 王城の ごとしと知りぬ 流離の国に

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                                                                                  松江城

わかき日の やむごとなさは 王城の ごとしと知りぬ
流離の国に
                  与謝野晶子

(わかきひの やんごとなさは おうじようの ごとしと
 しりぬ りゅうりのくにに)

意味・・若き日のやんごとなさ、すなわちその高貴性は、
    譬えて言えば高々と聳えたつ王城のようなもの
    だったと改めて思い知るのです。今、その城を
    出て流離の国を放浪している身となってみて。

    「若き日」すなわち「王城」は青春時代。愛と
    勇気を携えて何物にも恐れず、ひたすら希望に
    燃え情熱的に生きていた時代です。「流離の国」
    は二度とない青春時代が過ぎ去った今の状態を
    言っています。家庭の営み事などで疲れ果てて
    大切な心を失いかけている今の生活です。青春
    時代を回顧した愛惜の歌です。

 注・・やむごとなさ=身分が高い、高貴である。
    流離=さすらい、放浪。

作者・・与謝野晶子=よさのあきこ。1878~1942。堺
    女学校卒。夫は与謝野鉄幹。「明星」で活躍。

出典・・歌集「舞姫」(荻野恭茂著「晶子の美学」)



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2019年01月04日

・雪ふりて 年の暮れぬる 時にこそ つひにもみぢぬ  松も見えけれ

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雪ふりて 年の暮れぬる 時にこそ つひにもみぢぬ 
松も見えけれ             
                 詠み人知らず

(ゆきふりて としのくれぬる ときにこそ ついに
 もみじぬ まつもみえけれ)

意味・・雪がしきりに降り、年が暮れ果てた時になって、
    初めてその風雪に耐えて最後まで紅葉しない松
    というもののよさがわかるのだ。

    下記の論語を歌に詠みかえたものです。

  「歳寒くして、然る後に松柏の彫むに後るるを知る」
 
  (としさむくして、しかるのちにしょうはくのしぼむ
   におくるるをしる) 

   気候が寒くなって初めて、他の草木がしおれてし
   まっているのに、松や檜は枯れずに残っているの
   が分る。同様に困難に際して初めて、学問修養に
   努めている者の真価が分るのである。  

 注・・つひ(終)にもみぢぬ=最後まで紅葉しない。
    見えけれ=識別される。

出典・・古今和歌集・340。
 


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2019年01月03日

・我がやどの 君松の木に 降る雪の 行きには行かじ 待ちにし待たむ

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我がやどの 君松の木に 降る雪の 行きには行かじ
待ちにし待たむ          
                 詠み人知らず

(わがやどの きみまつのきに ふるゆきの ゆきには
 ゆかじ まちにしまたん)

意味・・私の家の、君を待つという松の木に降る雪
    のように、行きはしないでおきましょう。
    ただひたすらお越しをお待ちしておりまし
    ょう。

    744年安部虫麻呂朝臣の家での宴で詠まれた
    即興歌です。掛詞と同音の多用で面白さを
    出しています。
    心に思っている人が、我が家の素晴らしい
    松の木を見に来て欲しいという気持ちを詠
    んでいます。

 注・・安部虫麻呂(あべのむしまろ)=~752。播
    磨守。従四位下。

出典・・万葉集・1041。  



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2019年01月02日

・新しき 年の始めは いや年に 雪踏み平し 常かくにもが

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新しき 年の始めは いや年に 雪踏み平し
常かくにもが
               大伴家持
            
(あたらしき としのはじめは いやとしに ゆきふみ
 ならし つねかくにもが)

意味・・新しい年の初めには、来る年も来る年も、雪を
    踏みならして、いつもこのように賑(にぎ)わし
    く集まりたいものだ。

    この歌の左注には、「右の一首の歌は正月二日、
    守(かみ)の舘に集まって宴を催した。その時、
    降る雪が多く積もっていたので、大伴家持がこ
    の歌を作った」とあります。

 注・・いや年=弥年。毎年。年毎に。
    雪踏み平(なら)し=雪を踏みつけて平らにして。
     多くの人が訪れることをいう。

作者・・大伴家持=おおとものやかもち。718~785。
    大伴旅人の長男。中納言・従三位。万葉集後期
    の代表的歌人。

出典・・万葉集・4229。



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2019年01月01日

・沖縄の潮の香のせし賀状来る

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沖縄の潮の香のせし賀状来る    
                    佐藤美津夫

(おきなわの しおのかのせし がじょうくる)

意味・・ここ北海道では雪と寒さのため、家に引っ込み
    勝ち。沖縄から来た年賀状を見ていると陽気な
    春を思わせ、また何処までも透き通った海で遊
    んだ事を思わせる。
    ここ北海道にも、は~るよ来い、早く来い。

作者=さとうみつお。詳細未詳。北海道の人。



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