秋萩に 置きたる露の 風吹きて 落つる涙は 留めかねつもはれずのみ 物ぞ悲しき 秋霧は こころのうちに 立つにやあるらん

2019年10月15日

ありしにも あらずなりゆく 世の中に かはらぬものは 秋の夜の月

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ありしにも あらずなりゆく 世の中に かはらぬものは
秋の夜の月           
                   明快

(ありしにも あらずなりゆく よのなかに かわらぬ
 ものは あきのよのつき)

意味・・昔のようでは無くなってゆくこの世の中で、
    変わらないものは秋の夜の月だけだ。

    自分の姿や世間の様子が昔と変わって行く
    中で、月の美しさだけは昔と変わらない羨
    ましさ、世の無常さを詠んでいます。

 注・・ありし=以前の。昔の。
    無常=全ての物が生滅変転して留まらない事。

作者・・明快=みょうかい。986~1070。 天台座主。


出典・・詞花和歌集・98。


sakuramitih31 at 08:00│Comments(0)和歌・短歌・俳句 

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秋萩に 置きたる露の 風吹きて 落つる涙は 留めかねつもはれずのみ 物ぞ悲しき 秋霧は こころのうちに 立つにやあるらん