みやこにも 初雪ふれば をの山の まきの炭釜 たきまさるらん世にふるもさらに宗祇のやどりかな

2019年11月20日

東路の 道の冬草 茂りあひて 跡だに見えぬ  忘水かな

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東路の 道の冬草 茂りあひて 跡だに見えぬ 
忘水かな      
               康資王母

(あずまじの みちのふゆくさ しげりあい あとだに
 みえぬ わすれみずかな)

詞書・・東に侍りける時、都の人につかはしける。

意味・・ここ吾妻では、道のほとりの冬枯れた草
    が茂り合い、人の訪れた跡さえ見えない
    野中に、忘れ水がひっそりと流れていま
    す。

    都から吾妻へ行ってしまったら、都から
    の便りも途絶えて忘れさられた寂しさを
    詠んでいます。
    
 注・・東(あづま)=東国。ここでは陸奥国。吾
     妻は群馬県吾妻。東と吾妻の掛詞。
    跡だに=人の足跡さえ。手紙も貰えない
     ことを暗示している。
    忘水=野中に隠れて人に知られない水。
     ここでは都人に忘れられている自分
     を暗示している。

作者・・康資王母=やすすけおうのはは。生没年
    未詳。筑前守高階成順の娘。

出典・・新古今和歌集・628。
 


sakuramitih31 at 08:00│Comments(0)和歌・短歌・俳句 

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