浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど あまりてなどか  人の恋しきいにしへの 七の賢しき 人たちも 欲りせしものは 酒にしあるらし

2019年12月06日

年月も いまだ経なくに 明日香川 瀬々ゆ渡しし  石橋もなし

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              石橋(飛び石)

年月も いまだ経なくに 明日香川 瀬々ゆ渡しし 
石橋もなし
                 詠み人知らず

(としつきも いまだへなくに あすかがわ せせゆ
 わたしし いしばしもなし)

意味・・まだそれほど歳月が経っていないのに、
    飛鳥川に以前、川瀬に渡して置いたあの
    飛び石もなくなっている。

    古京に帰り懐旧の念を詠んだ歌です。
    694年に遷都した藤原京は710年に平城
    京に遷都した。その後急速に寂れてしま
    た姿を石橋に託して詠んでいます。

    飛鳥川は次ぎの歌にあるように変化の
    激しい川であった。

    世の中は なにか常なる あすか川 昨日
    の渕ぞ今日は瀬になる  (古今和歌集)
    
 注・・明日香川=奈良県明日香を流れる、途中
     遷都前の藤原宮址を横切る。
    瀬々=あちこちの川の浅い所。
    石橋=川を渡る為に配置した飛び石。
    藤原宮=694年大津京より藤原京に遷都
     された。その後710年平城京に遷都した。

出典・・万葉集・1126。


sakuramitih31 at 08:00│Comments(0)和歌・短歌・俳句 

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