ほととぎす 雲居のよそに 過ぎぬなり 晴れぬ思ひの 五月雨のころかんがえて 飲みはじめたる 一合の 二合の酒の 夏のゆふぐれ

2020年07月09日

今や夢 昔や夢と まよはれて いかに思へど  うつつとぞなき

1880
                    寂光院
 
今や夢 昔や夢と まよはれて いかに思へど 
うつつとぞなき
               建礼門院右京大夫

(いまやゆめ むかしやゆめと まよわれて いかに
 おもえど うつつとぞなき)

意味・・さびしい今の事が夢なのだろうか、それとも
    記憶に残っているあの華やかな昔の事が夢な
    のだろうか、と思わず迷う気持ちになって、
    どう思ってみても今のこの有様は現実とは感
    じられない。
 
    平家一門が滅び、右京大夫が都落ち以前に仕
    えていた建礼門院だけが壇ノ浦で身を投げた
    が助けられた。その後出家して今は大原の寂
    光院にいる。右京大夫は山道を分け入って寂
    光院を訪ね、瘦せ衰え変わり果てた建礼門院
    に対面した。昔は華やかな衣装を着けていた
    のだが今は粗末な尼の姿であった。この時に
    詠んだ歌です。

作者・・建礼門院右京大夫=けんれいもんいんのうき
    ょうのだいぶ。1157頃~1227頃。高倉天皇の
    中宮平徳子(建礼門院)に仕えた。

出典・・右京大夫集。


sakuramitih31 at 08:00│Comments(1)和歌・短歌・俳句 

この記事へのコメント

1. Posted by 夢子   2020年07月15日 14:49
若い時には 大原や寂光院など
憧れがあって 2度は行ったと思います
しかし 当時は寂光院の歴史も知らずに
お参りしましたσ(^_^;)

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ほととぎす 雲居のよそに 過ぎぬなり 晴れぬ思ひの 五月雨のころかんがえて 飲みはじめたる 一合の 二合の酒の 夏のゆふぐれ