見れど飽かぬ 吉野の川の 常滑の 絶ゆることなく またかへり見むよしや君 昔の玉の 床とても かからんのちは 何にかはせん

2020年07月25日

古へに 変はらぬものは 荒磯海と 向かひに見ゆる 佐渡の島なり

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古へに 変はらぬものは 荒磯海と 向かひに見ゆる
佐渡の島なり
                 良寛
               
(いにしえに かわらぬものは ありそみと むかいに
 みゆる さどのしまなり)

意味・・昔と少しも変わらないものは、古里の岩の多い
    海辺と、沖の向こうに見える佐渡の島である。

    生きとし生きる物は皆死に、また生まれ変わる。
    盛者は滅び、また生まれる。喜怒哀楽の感情も
    その都度変わるものである。この、無常の世の
    中で、大昔から変わらないものは、荒波の打ち
    寄せる海岸と、海の向こうに見える佐渡島だけ
    である。

    すべての物は移り行くので、今を大事に生きよ
    う、怠らず努めよう、という気持ちが含まれて
    います。

 注・・荒磯海(ありそみ)=岩の多い海辺。

作者・・良寛=りようかん。1758~1831。

出典・・良寛全歌集・1239。


sakuramitih31 at 08:00│Comments(2)和歌・短歌・俳句 

この記事へのコメント

1. Posted by 夢子   2020年07月26日 10:22
良寛さんは ふるさとからみえる
佐渡島の荒波に 感じることが
多かったでしょうね

良寛さんの「子供の純心な心が仏の心」と
修行中に悟ったのでしょうが
良寛さんは 無欲な方だったんでしょうね
誰からも慕われる そういう雰囲気が
漂っていたと思います
2. Posted by 名歌鑑賞   2020年07月27日 00:36
こんばんは。

子供の心は純心ですね。
昨日、6才と8才の孫が遊びに来ました。
パソコンで幼子向けの物語を見ていると、おかしければ
大きな声で笑うし、鬼に追っかけられると怖がります。
楽しい事も悲しい事も表情に表していました。
損得の感情がまだ無く可愛いなあと思いました。

良寛さんも損得の感情が無いのですね。

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