薄き濃き  野べの緑の 若草に 跡までみゆる 雪のむら消え春の夜の 闇はあやなし 梅の花 色こそ見えね かやはかくるる

2021年03月03日

春立つと いへば霞む 玉手箱 ふたみの浦の 明け方の空

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春立つと いへば霞む 玉手箱 ふたみの浦の
明け方の空
               北畠国永

(はるたつと いえばかすむ たまてばこ ふたみの
 うらにの あけがたのそら)

意味・・春が立つというので、霞がかかっているのだ
    ろうか。煙が立ち昇る玉手箱の蓋ならぬ二見
    の裏の夜明けの空に。

    霞が立つ状態を、浦島太郎が玉手箱の蓋を開
    けて煙が立つのと同じようだと歌っています。

 注・・春立つ=立春、2月4日か5日。節分の翌日。暦
     の上ではこの日ら春。
    ふたみ=「蓋」と「二見」を掛ける。
    明け=「開け」が掛けられ、蓋を開ければ煙
     が立つことを示している。

作者・・北畠国永=1507~没年未詳。

出典・・家集「年代和歌抄」(笠間書院「室町和歌への
    招待」)



sakuramitih31 at 08:00│Comments(0)和歌・短歌・俳句 

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