とにかくに あればありける 世にしあれば なしとてもなき 世をもふるかもおほかたの 露にはなにの なるならん たもとにをくは 涙なりけり

2021年09月26日

にほの海や 月の光の うつろへば 波の花にも 秋は見えけり

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にほの海や 月の光の うつろへば 波の花にも
秋は見えけり
                 藤原家隆

(におのうみや つきのひかりの うつろえば なみの
 はなにも あきはみえけり)

意味・・広々とした、におの湖よ。そのにおの湖の上に
    月の光が映ると(草木は秋になると色が変わるが
    波の花には色の変わる秋がないと古人は言った
    が、やはり)その波の花さえも秋の気配が見える
    ことだ。

 注・・にほの海=琵琶湖の古名。
    うつろへば=映っていると、映ると。
    波の花=波がしらの白く立っているさま。

作者・・藤原家隆=ふじわらのいえたか。1237年没。新古
    今和歌集の撰者の一人。藤原俊成に師事。

出典・・新古今和歌集・389。



sakuramitih31 at 08:00│Comments(0)和歌・短歌・俳句 

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