さもあらばあれ 大和心し 賢くば ほそぢに付けて あらすばかりぞ上見れば 星星星と ほしだらけ 笠着て暮らせ 己が心に

2023年03月30日

芦の屋の 灘の塩焼き いとまなみ 黄楊の小櫛も  ささず来にけり

1463

 
芦の屋の 灘の塩焼き いとまなみ 黄楊の小櫛も 
ささず来にけり          
                 在原業平

(あしのやの なだのしおやき いとまなみ つげのおぐしも
 ささずきにけり)

意味・・芦屋の灘での塩焼きで暇がないので、黄楊(つげ)の櫛も
    ささないで来てしまったことです。

    身なりを整える暇もない海女(あま)が、そのことを恋人
    に嘆くのを詠むとともに、芦屋の里の人々の素朴さを紹
    介しています。

 注・・芦の屋の灘=芦屋の里の海岸。芦屋市から神戸市灘区に
     いたる海岸。
    塩焼き=海水を煮て塩を製造すること。
    いとまなみ=暇がないので。
 
作者・・在原業平=ありわらなりひら。825~880。六歌仙の
    一人。
 
出典・・新古今和歌集・1590、伊勢物語87段。 


sakuramitih31 at 08:54│Comments(0)和歌・短歌・俳句 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
さもあらばあれ 大和心し 賢くば ほそぢに付けて あらすばかりぞ上見れば 星星星と ほしだらけ 笠着て暮らせ 己が心に